かなりの長文ですので覚悟してください(笑)
超長文です。約25分で読めます…たぶん。でも慌てて読まず、じっくり時間をかけてお読みください(笑)
㈱オリジンさんのC‐40仮縁は、前にも申しましたがキャンバス側面にネジ止めする『横ビス方式』です。
(25号以下はフレーム側面にネジ穴は無く、専用金具を使って作品裏面で固定)
C‐40以外の…薄めなほとんどの金属製仮縁も、みな同様に横ビス方式です。
横ビス方式の仮縁は、40号や50号サイズなら…たいてい1辺に3個のネジ穴が空いていますから、4辺合計でネジ穴が12個です。
これは小学1年生でもわかります。かけ算が出来なくても足し算で解ける問題ですから…。
幼稚園児でも、数が数えられれば『ネジ穴が12個』ってことは…わかります。
でも、なんで高校の美術部員さんは幼稚園児より低能なのかしら?
どうやら…数を数えるってことが出来ない生徒さんが多数いらっしゃるみたいですよね。
これは、顧問の先生に問題が有るのかしら?
先生に、数を数える能力が無いのかもしれません。
12個あるネジ穴に…ネジが5本しか入ってない仮縁の作品を、高美展に出品してきた学校が過去にありました。
驚きです。
もちろんこのメルマガの読者さんの中には、その学校の顧問はいらっしゃいませんが…
みなさん、どう思われます?
12本中5本のみ…ですよ?
半分以下ですよ?
みなさんにうかがいます。
仮縁の納品時に、取り扱い説明書も同梱しているはずですが、そこに…『フレームの1辺に3個のネジ穴が空いていますが、そのうち1個だけにネジを締めていただければ強度は確保出来ます』みたいなこと、書いてありましたか?
書いてないですよね?
じゃあ、なんで自分達の勝手な判断で本数を減らして仮縁を組んじゃうんですか?
それで強度は確保出来るんですか?
みなさん、自家用車のタイヤ交換をされたことありますか?
『なんか疲れちゃったから、4本あるホイールナットを3本だけ締めればいいや』とか、『2本だけでいいや』なんて思います?
思いませんよね?
車のホイールナットは、『全部』締めないと走れませんからね!
そんなことはご存知ですよね?
じゃあ、なんで仮縁のネジは、勝手な判断で本数を減らすんですか?
やっぱり顧問の先生が幼稚園児以下なんですか?
いや、そんなことはないですよ…ね?
ちゃんと大学を出て教員になったんだろうし…。
幼稚園児よりは有能…ですよね?
先程例に挙げた『12本中5本しかネジを締めていない仮縁』は、3ダースが持ち上げて揺すってみたら案の定…あっけなくバラけました。
ネジの本数の問題だけでなく、ネジの長さも足りてなかったんです。
そこに使われていたのは15㎜程度の木ネジでした。
(このネジ、ホームセンターなどの売り場での表示には16㎜と書かれていますが、実測だと15.3~15.5㎜くらいです)
ちなみに、C‐40のネジは『皿頭で長さ25㎜の木ネジ』が標準仕様。
もっとショボい薄めの金属製仮縁でも、木ネジの長さは20㎜くらい無いと使い物にならないでしょう。
ところでみなさん、取り扱い説明書には『長さが10㎜も短いネジに勝手に交換していただいても、分解する恐れはありません。充分な安全を保証いたします』なんて書いてありましたか?
書いてないですよね?
勝手に替えるなんて、やって良いことなの?
仮縁のネジは…必要な本数で、正規の長さのネジを締めなければ、強度が保てません。
みなさんも、自家用車のタイヤのハナシだったら簡単にご理解いただけるのに、仮縁の事になったらなんでそんなに無責任になれちゃうんですか?
って思われますか?
カーディーラーやガソリンスタンドやタイヤショップにタイヤの交換を頼んで、そこの店員が『疲れてるから』とか『面倒だから』って勝手な理由でナットの数を少なく締めていたとしたら、怒りますよね?
カンカンに怒りますよね?
だって、ご自身の身に危険が迫る事態なんですから。
ネジの本数が足りない仮縁や…ネジの長さが足りない仮縁は、前述のように分解する恐れがあります。
金属製の仮縁が分解しちゃったら、誰かが怪我する可能性だって充分あるわけでしょ?
それくらいはわかりますよね?
怪我させられた人や怪我させられそうになった人はカンカンになって怒りますよ?
しかし、出品者は作品を運搬してくれる業者に預けちゃった後は、その作品が誰かを怪我させていたとしても、その事には気付かないですよね?
陳列の時に、誰かをカンカンに怒らせていたとしても…気付かないですよね?
というか、基本的に出品者って出品しちゃったら…その後のことは知らんぷりですよね?
実際に3ダースの手元で分解した仮縁作品は…過去をさかのぼれば10枚以上もありました。学校で預かる時の積み込みや、店に持ち帰って車から下ろす作業中にバラけます。
当然、搬入のためにウチで預かっているわけですから、ウチでしっかり直しましたよ。
それだけじゃなく、高美展の搬入前には…預かっているすべての学校のすべての作品の仮縁をチェックしています。
不足しているネジ穴にはなるべくネジを補充し、長さが足りないネジを使っていそうな “怪しい学校” のネジは何本か抜いてチェックし…予想通り短かったなら正規の長さのネジと交換しているんです。
搬入の前日に、深夜までかけて…。毎年40本以上、新品のネジを消費しております。
3ダースは、『この仮縁は分解しそうだな』ってわかっていて触りますから怪我はしません。しかし、みんながみんな3ダースではないのです。
3ダースは『今…自分が直さなかったら、次にこの作品を触る “誰か” が怪我をする』…そう考えて分解の恐れがある仮縁や、触るだけで怪我をしそうな仮縁のメンテナンスをしています。
ネジが斜めに締められ、ネジの頭が鋭利に飛び出している仮縁は、必ず誰かに危害を加えます。
触った人が、指や手のひらを切ってしまうかもしれません。怪我をしなくても、誰かの服が破けるかもしれません。
他の作品の画面や、他の作品の仮縁にキズを付ける可能性も…充分にあります。
もはや、これは “危険物” です。存在自体が “危険” なんです。
だから…そんな斜めなネジは抜いて、まっすぐ垂直に締め直すんです。
もちろん、ただ締め直すだけでは…木枠に空いている元々の斜めの穴にネジがまた誘い込まれちゃいますから、それを防ぐために…まず『埋め木』をします。
割り箸を細く削って先を尖らせた物にボンドを塗りたくり、フレームのネジ穴から…元のネジが入っていた木枠の斜めの穴にグリグリグリグリ突っ込んで穴を埋めるのです。
ボンドが固まったらフレームから出ている余分な割り箸を折り、そこにネジを “垂直に” 突っ込んで…締め直すんです。
これで、誰かが怪我をするのを防げるんです。
ネジが足りなかったりネジの締め付けが不良な仮縁の作品を… “運搬するように頼まれた者” 、それを “陳列するように頼まれた者” 、展覧会が終わって再び “運搬するように頼まれた者” が『触る』…ってことくらいなら、みなさんにも想像出来ますよね?
触らなきゃ作業出来ないんですから…。
でも…その人たちが『怪我をするかもしれない』っていう想像力までは、出品する側の人達は持っていないんでしょうかねぇ?
ネジの本数不足は…横ビス方式の仮縁の使い方の “基本” をまったくご存知ない顧問の先生に、すべての責任があります。
“基本のキ” ですよ。
これは大学で教わるようなハイレベルなことではありません。
おそらく高卒くらいの一般常識レベルです
でもナゼか、多くの美術教員がこの “基本” をご存知ないのです。
みなさん、仮縁の使い方の “基本” …ご存知ですか?
ご存知ですよね?
ご存知ない先生には教えて差し上げますよ。
耳の穴、かっぽじってよく聞いてくださいね?
仮縁の使い方の “基本”
まずヒントから。
『キャンバスの釘…手張りにせよ機械張りにせよ、釘がどこに打たれているか考えたことありますか?
辺の真ん中と…辺の端には、必ず釘があるんです。』
これ、常識ですよね
『横ビス方式の仮縁のフレームのネジ穴が、どこに空いているか考えたことありますか?
辺の真ん中と…辺の端に空いてるんです。』
これも常識ですよね
この二つの常識を、頭の中で一致させる能力が無いヒトが、なぜか美術の教員の中に多数存在するのです。
多数です!
知らないまま教員になったら恥をかくから、これだけは絶対覚えて卒業しろ…って。
ご存知無かった先生は声に出して読んでみてください。
『キャンバスの釘は、たいてい辺の真ん中と辺の端に打たれています。』
『横ビス方式の仮縁のネジ穴は、辺の真ん中と辺の端に空いています。』
3ダースは優しいですから、100回繰り返して読め!…なんて言いません。
でも、20回は繰り返して読んで欲しいです。
おそらく、美術室で以下のような会話がなされてるんでしょうね。
この返答を聞いて、部員は “全体の中で1本くらいの不足なら大丈夫” というつもりの顧問の発言をナゼか拡大解釈し、“釘に当たって入りづらいネジは締めないで良い” と判断しちゃうのでしょう。
そして、各辺に最低1本くらいネジが締めてあれば強度は大丈夫なんだろうって、勝手に決めちゃうのでしょう。
『1本くらい無くても大丈夫だ』…じゃねえんですよ。
…じゃ・ね・え・ん・で・す・よ!!!!!!!!
『1本くらい無くてもいい』なんて言ってしまうと、いつの間にかそれが『2本くらい無くてもいい』になり、『3本無くても大丈夫』から…ついには『釘に当たってネジが入れられないんじゃしょうがない。ネジなんか使わないでガムテープで仮縁を貼ればいい』と、作業内容が際限なく劣化していくんです。
最初の1本を許しちゃ絶対ダメなんです。
わざと回りくどい言い方をしてますから、ま~だご理解なされてない先生が何人かいらっしゃることでしょう。
では、ご理解いただけていない先生のためにハッキリと『基本のキ』の “答え” を申し上げます。
『基本のキ』の “答え”
って、3ダースは言ってるんです.
これが、『基本のキ』の答えです。
わかってましたか?
やってくれてましたか?
やってくれてないですよね?
キャンバスの釘と、フレームに空いているネジ穴が…どうしても似たような場所にあるんです。
そういうもんなんです。
じゃあどうすればいい?
抜けばいいんですよ、釘を
わかってましたか?
やってくれてましたか?
まさか…3ダースに言われるまでご存知なかったってことだと、きっと幼稚園児に笑われますよ?
いいですか?
フレームのネジ穴とキャンバスの釘の位置が…結果的に一致しなかったとしても、仮縁に作品をはめる前には “必ず” 各辺の真ん中と両端の釘を “抜く” んです!
“抜いておく” んです!
それが常識であり、それがマナー!
やって当たり前なこと!
やらなきゃダメなこと!
って、3ダースは言ってるんです。
とにかく12本の釘を抜くんです。
仮縁にはめる前に!
車を運転していて、赤信号を無視し続けて一度たりとも止まりもせず、たまたますべての交差点で誰も轢かずに…他の車ともぶつからずに目的地に到達できたにせよ、赤信号で止まらなかったのなら…それは道路交通法違反でしょ?
そんな運転行動をしていて毎回毎回事故が起きない保証なんかありません。
必ずいつか、事故を起こします。
ですからまず、交通ルールを守りましょう。赤信号で止まればいいんです。
それと同じこと。
抜くべき釘を抜かずに “行き当たりばったり” で仮縁をはめていたのでは、毎回毎回釘に当たらずにネジが締められる保証なんかありません。
必ずいつか、釘に邪魔されてネジが締められない場面に遭遇するはずです。
そんな時、どうします?
本数不足でも知らんぷりで出品?
それとも、釘を避けるように思いっ切り斜めにネジを締めます?
たいていの学校だと、そのどちらか。
ちなみに、どちらも不正解
中には、仮縁をバラし…邪魔していた釘を抜いてから改めて仮縁を組み直すってことをしてくれる学校もあるかもしれません。たぶん少数派だと思いますが…。
はい、この学校だけが正解です。
でもこれね、すごく時間も食うし気持ち的にも凹むんですよ。
特に…順調にネジを締められていて、最後の1本のネジが釘に邪魔された時なんかは…。
(仮縁の1辺だけを外せるタイプなら…そのフレームを外して問題の釘を抜くだけだからまだマシなんですが、C‐40仮縁はコーナー金具の構造が特殊なので、すべてのネジを外して一旦作品を取り外さないと…キャンバス釘を抜くことは出来ません)
だ・か・ら、“最初っから” 各辺の中央と両端の釘を抜いておけば良いの
ただそれだけのこと!
そういう習慣を身につければ良いだけのこと!
この、ただそれだけのことが出来ないヒトが多過ぎます
12本の釘を事前に抜いてさえいれば…何のストレスもなく仮縁の取り付けが完了するでしょ?
少し考えればわかること。
それとも、今気づきましたか?
知ってたけど今まで実行せず…でしたか?
ちなみに、抜いた釘をすぐそばに打ち直したりする必要はありませんよ。だって、すぐにネジが入ってくるんですから。
キャンバスタックスより、ネジの方がはるかに強力ですから。
釘を抜くとキャンバス布がたるむ…って思って釘を抜きたがらないのかもしれませんが、絵を描き終わったキャンバスの一部分の釘だけ抜いた程度じゃキャンバスはたるみません。
展覧会が終わって仮縁から作品を外した時に、再び釘 (タックス) を打ってあげましょう。
もちろん、仮縁のネジを抜いて出来た穴からは少しズラした所に…。
事前に12本の釘を抜くことがそんなに難しいこととは思えませんが、なんでみなさんやらないのかしら?
最後の1本のネジが釘に邪魔されて、それからネジをすべて抜いて作品を外す…という大変な手間を考えたら、最初っから釘を抜いておく方が手っ取り早いハズなんですけど、みなさん…お母さんのお腹の中に『想像力』ってモノを置いて出て来ちゃったのかしら?
だって、文句を言う資格が無いんですから。
もしそんな時にタイヤショップにちゃんと文句を言いたいのなら、今…3ダースの文句をしっかり聞いてください。
『横ビス方式の仮縁は、すべてのネジを締めなければ強度の保証は出来ません。』
『必ず正規の長さのネジを、不足なく締めてください。』
『仮縁の取り付け不良は、必ず誰かが怪我をするんです。それを防ぐのは出品校の責任です。』
はい、3ダースの文句は終了です。
あとは、先生方がそれを実行するだけです。
仮縁に、正規の長さのネジを不足なく締められて…初めてタイヤショップの店員にも文句を言える資格を得られるんです。
過去にあったハナシ
高美展は今でこそ…陳列作業は専門の業者さんにお願いしているわけですが、コロナ以前は陳列担当に指名された学校の生徒さんが…分担して陳列作業をなさってらっしゃいました。いつかまた、その方式に戻るかもしれません。
2019年に…実際に陳列作業を担当された学校の先生からうかがいましたが、出品校の仮縁の取り付け方がものすごく悪く…持ち上げただけでバラけてしまうような仮縁がいくつもあったとのこと。しかも、それらはみんな同じ学校の作品だったそうです。
幸いその先生には、3ダースが事前に…現場で起こり得るトラブルなどをすべてレクチャーしていたので、仮縁がバラけることも想定内で…生徒さんが手際よく修理をし、怪我をすることもなく作業を終えることが出来たそうです。
とても有能な先生と生徒さん達ですね。
しかし、起こり得るトラブルをまったく知らされないで…持ち上げただけで他校の仮縁が分解しちゃったとしたら、普通はビックリしますわ。
そしてその陳列係の生徒さんはご自分を責めちゃうかもしまれませんよね?
…と。
まさか、取り付け不良が原因で…いとも簡単に分解しちゃう仮縁が有るんだなんて知らない生徒さんなら、怪我をしちゃう可能性だって充分あるでしょう。
怪我をさせられた上に…相手校の額を壊してしまったという自責の念に押し潰され、将来トラウマから抜け出せなくなるかもしれませんよね。
出品校の顧問は、その責任を取れるんでしょうか?
まあ、取りゃあしないでしょうがね!
なんてったって、無能で無責任な顧問なんですから!
“いい加減な取り付け作業” で仮縁を付け、真面目に陳列作業をしている生徒さんを身も心も…コテンパンに傷付け、自分達は安全な場所に居て知らんぷり…。
これじゃぁこの出品校の顧問、まるっきりクズじゃないですか
それに…別な先生からうかがった話ですが、5年くらい前の高美展の “会期中” に…つまり一般の来場者さんがいらっしゃる時間帯に、陳列してある仮縁作品が落下した『事故』があったそうです。
壁面上段の作品が落ち、下段に陳列していた作品も巻き込んでの…複数落下の『大事故』です。怪我人が出ても不思議ではないほどの事故だったとうかがっております。
やはりその落下した作品は、仮縁の取り付け方が極端に悪かったようです。そして、当該の作品だけでなく…その出品校の作品はすべて、仮縁の取り付け方が最悪だったそうです。
この出品校の顧問も、マジでクズですよね?
だって…ネジじゃなく、ガムテープで仮縁を “貼っていた” らしいですよ。
この顧問、幼稚園児ですか?
大人だとしたら、とんでもないクズじゃないですか!
みなさんも、ギレン総帥になったつもりでこの顧問達に言い放ちましょう。
『敢えて言おう、クズであると』
このメルマガをご覧の先生方にも、いまだに
って思いながら読んでらっしゃる先生も幾人かいらっしゃることでしょう。
でも、よく考えて
50号くらいの複数の作品が…分解した仮縁ごと上から落ちてきたら、来場者が大怪我しますよ。いや、打ちどころが悪けりゃ死ぬかもしれません。
『仮縁のネジごとき』って思ってた先生、自分の学校が加害者になっちゃったら…って思って聞いて
被害者が死ななくとも、“失明” とか “一生寝たきり” とかになったら損害賠償できますか?
それとも事故が起きても知らんぷりして、とぼけ続けるんですか?
あるいは『被害者は自業自得だ。わざわざ自分で展覧会会場に来たんだから本人の責任だ!』なんて、狂ったこと言い出すんですか?
『不完全で強度不足な額装作業をした出品校の責任』は免れることはできません。
『ネジごとき…』なんて、思わないでください。
5年くらい前の落下事故のように…明らかに仮縁の取り付け不良に原因が有る事故であれば、【故意や過失により…締めるべきネジの本数を減らして不完全な仮縁を組み立て、強度不足による落下の恐れが有るにも関わらず出品を強行した】という行為が、法廷で事実として認定されます。
こうなると無責任顧問に勝ち目はありません。
顧問の監督不行き届きで被害が発生したのが明らかなら、当然出品校の顧問と管理職が賠償責任を負うのです。
たとえ一生かかっても!!!!!!!!!
それとも、仮縁の取り付け不良を見抜けなかった “主催者” に責任が有るって言って逃げるんですか?
クズは逃げようとするでしょうね。
まぁ現実問題として、会期中の事故は主催者 (県教育委員会・県高文連・県高文連美術工芸専門部会) が “第一次的に” 責任を負うのでしょうが、その主催者の提示する賠償額に被害者側が納得しなければ、被害者は出品校に対して損害賠償を求める裁判を起こすでしょう。
本当の “責任” は出品校にのみ有るんですから。
※ 『第一次的に』…とは、“最初に” とか “ひとまず” という意味。『一義的に = 唯一の・明確な・誤解の余地が無い』とは異なります。
その法廷で、証拠品として当該作品か…その状況の写真等が示されたのなら、どんな裁判官であれ…上記の【】の中の文言のように判断するでしょうね。
ですから先生方、『仮縁のネジごとき』なんて軽んじないでくださいね!
何度も繰りかえし言わせてもらいます
賢明なる読者のみなさん、仮縁の取り付け作業をご指導する際には『この子達に自分の車のホイールナットを締めてもらってるんだ』っていう気持ちで作業をご指導してくださいよ。
そうすれば、取り付け不良なんて起きないはずですよね?
『センセ~、ネジが入らねぇ~。1本くらい締めなくてもダイジョブっすかぁ?』って聞かれたら
『大丈夫じゃねえよ! お前ら、あれほど言ってたのに事前に釘を抜き忘れてただろうっ。最初っからやり直しっ! 作業の手抜きは誰かを怪我させるんだ! その被害者が一生寝たきりになったらお前ら賠償出来るのか!』って言えばいいんです。
キツい言い方だから生徒さんには嫌われるかもしれませんが、とぼけて逃げるよりはマシ。
いずれ、誰が正しいのか…誰が間違ってるのか、わかるってくれるでしょう。みなさんが一般常識をお持ちであれば…。
『3ダースさん…あのメルマガから10年経って、事故が起きて自分の過ちにようやく気付きました…。ネジ穴が空いてる場所にネジを入れなかったのは、法廷では “故意” と判断されるんですね…。ウチの学校、5000万の賠償を負わされました…』なんて3ダースの所に言いに来ても遅いですからね
※ 主催者である県教委・県高文連・美術工芸専門部会の三者…あるいは展覧会運営者である “実行委員会” が、各出品校に対して…注意喚起させるべく適切な文書の配布をしたり、総会等の場で適切な説明をしていたのであれば、その注意喚起に従わず…不適切な額装作業によって事故の直接の原因を作り出したのはその出品校であると見なされ、出品校に “一義的な” 賠償責任がある…と判断されるでしょう。(一義的 = 唯一の・明確な・誤解の余地が無い)
主催三者および実行委員会が賠償責任を免れることは充分に有り得ます。
実際に、クズ顧問の暴走の尻拭いが県民の血税をもって充てられる…ということは正義とは考えられません。
県在住の納税者のためにも主催者および実行委員会は、適切な文書配布と説明を行ったことを証明し、賠償責任から免れなければなりません。
主催者や実行委員会の言うことを聞きもしないクズを守ってあげる必要なんか…無いのです。
3ダースが心がけていること
3ダースだって、ウチで預かるすべての高美展出品作品の仮縁をバラして手入れをしているわけではありません。
とてもそんな時間はありません。場所もありませんしけっこうな枚数が相手ですし…。
(2022年の当店取り扱い作品数は仮縁+パネルで103枚)
ですからネジの足りない仮縁は、そのフレームの1辺だけを外せるのか、全体をバラさなければそのフレームを外せないのか…確認します。
1辺だけが外せるタイプなら躊躇なくフレームを外し、ネジの足りないネジ穴の下の “邪魔な釘” を容赦なく抜き、再びフレームをはめてネジを補充し…締めておきます。
木枠に空いた古い斜めの穴があるなら、割り箸を削って突っ込みます。
さながら野戦病院での手術です。
C‐40仮縁の場合は慎重な対応が必要です。
C‐40はフレームのコーナーの結合が強いため、フレームを1辺だけ外すことは出来ません。
ですからネジが1本だけの不足で、やはり釘が邪魔してネジが入れられないのなら、ネジの補充は断念します。
そのかわり、その仮縁に使われている他のネジの長さや締め具合などをチェックすることで、全体での強度を見極めるようにしています。
いわば経過観察 (このまま様子を見ましょう…と医者が言うやつ) です。
しかし、全体で12個のネジ穴のうち2ヶ所以上ネジが入ってないC‐40仮縁の場合は…悠長なことは言ってられません。
大手術を行います。
すなわち、すべてのネジを抜き…仮縁から作品を外し、抜くべきキャンバス釘を抜いて再び仮縁を取り付ける…という作業です。埋め木作業も伴うかもしれません。
これは時間もかかるし、とても大変な作業です。しかし、全体で2ヶ所もネジが無いのなら強度の保証なんか出来っこありませんから…。
さながら、大規模災害時の医療機関のトリアージ判断ですよ。
なんてったってその仮縁が翌日、3ダースの知らない場所でバラけてしまう可能性が拭い切れないんですからね。
ウチで施せる治療はしてあげなければ…。
ネジの長さ不足に関しても、みなさんに苦言を呈しておかなければならないでしょう。
ほとんどの学校の美術部の顧問の先生は、備品を日常的にメンテナンス (点検・保守・保全) せねばならないという考え方が…社会人として不適格なくらい致命的に “欠落” してらっしゃるので、『予備のネジを持つ』という、普通なら当たり前な行動さえ出来ていないんですよね。
なので…正規の長さのネジが紛失するたび、それまで使い道のまったく無かった…役に立たない15㎜程度のネジを “代わりとして” 起用するんでしょう。
前述のように15㎜程度のネジでは、横ビス方式の仮縁で…作品の固定は出来ません
ちなみに…C‐40仮縁に15㎜程度の木ネジを使うとすると、キャンバスの木枠部分に入り込むネジの深さは…先端のたった1.5~3.5㎜程度しかないんですよ。
深くてもせいぜい3.5㎜!
浅いとたったの1.5㎜ですよ!
この事実をご存知だったのなら、そんな短いネジには絶対に手を伸ばさないはず。
それでも15㎜程度のネジが横ビス方式の仮縁に使われてしまっているっていうことは、『仮縁の構造』『DIYの基礎知識』『社会人なら知り得ているはずの一般常識』のすべてを、その学校の顧問がご存知無かった…ということです。
とてもとても恥ずかしいことだと思います。
そうやってネジの交代が繰り返され…ついには、仮縁に使っているネジの大半が15㎜程度のネジになってしまっている…という学校も、何校も何校も見て来ました。
正規の長さのネジの “紛失” と言いましたが、実際に起こり得ることは『ネジなめ』による退役 (たいえき = 役目を終えて引退すること) でしょうね。
『ネジなめ』とは、電動ドライバーの先端がネジ頭の “+” の溝としっかり噛んでいない状態で回してしまい、+の溝をぶっ潰してしまうこと…。
+の溝がすり鉢状にえぐれてしまって、締めるも緩めるも出来なくなってしまうこと…。
原因は、電動ドライバーの使い方に問題があると思います。
ネジに対してドライバーの軸が傾いていた…とか、ネジにしっかりドライバーの先端を押し付けていなかった…とか。
回すスピードが速過ぎた…という可能性や、締め終わっているにも関わらずいつまでもトルクをかけ続けていた (クラッチ機能をちゃんと使えていない) という可能性もあります。
見落としがちなのは、ドライバービット (交換可能な “先っぽ” のこと) の+のサイズと、ネジの頭の+の溝のサイズが合っていないこと。
だいたいの電動ドライバーには2番 (No.2とかH2とかPH2と刻印されています) のビットが標準装備されているはずですが、前任の先生が別なビットに交換したまま異動してしまったりとかで、標準仕様でない場合も有り得ますよ。
こうしてなめられたネジを退役させて、短いネジと交換しているんですよね。
なんなの?…その選手交替の采配は。
まるで、高校サッカーの大会に出場しているのに補欠の選手をまったくベンチに入れてなく…怪我人が出たら隣の野球場で試合を終えた見ず知らずの少年野球の選手を借りて来て試合を続けようとするようなもの。
突然試合に出てきた交替選手は小学生だし…しかもサッカー選手じゃないから何の役にも立たないどころか、登録外選手を出しちゃった…って時点で無効試合です。
先生、そんな采配じゃあ監督失格っすよ。
補欠は事前に用意しておきましょうよ。レギュラー選手と同じくらいの “規格” の…。
ちなみに、なめきってしまったネジはよっぽどの知識がないと抜き取れません。
なので、なめきったネジや半分くらいなめられたネジを搬入前に3ダースが見つけた場合、なるべく新品と交換しております。
まあ、高美展から学校に戻ってきた作品のネジが何本も何本も、新品と交換されてる…なんて気付く先生は一人もいないと思いますがね。
だってみなさん、事前に手持ちのネジすらロクにチェック出来ていないんですから…。
つまり、ウチは “○○先生のために” …とか、その “出品校のために” …って思ってネジを補充したりネジの交換をしたりしてるんじゃないの。
ウチが運んだ作品で、怪我をしたり…服を汚したり…嫌な思いをする生徒さんや陳列業者さんを一人として作りたくない。ただそれだけ。
ただその一心で、全作品の仮縁の不具合や汚れなどをチェックしています。コロナ禍になるよりはるか以前から…。
すべては無事に展覧会を行うため。無事に展覧会を済ませるため。
みなさんも、想像力さえまともなら判断できるはず。
何をやるべきか。何に気を付けるべきか。
もし実行出来て無かった事に気付いたのならば、ぜひ実行に移してください。
守るのが当たり前のレベルのマナー
邪魔になりそうなキャンバスの釘は、仮縁に作品をはめ込む前にあらかじめ抜く。
ネジは不足することなく、すべてのネジ穴に入れる。
常日頃から備品の点検をし、長さ不足のネジや…なめられてすり鉢状に溝がえぐれてしまっているネジは思い切って処分する。
正規のネジを必要数だけではなく…充分な予備も含めて用意する (展覧会前に…ネジ穴の数に対して1.5倍~2倍あると安心) 。
C‐40仮縁のコーナー金具も、乱暴な使い方をすると寿命が早まるので保有枚数1枚あたり1個程度の予備を持つように。
斜めにネジを刺さないように…そしてネジをなめないように、電動ドライバーの正しい使い方を指導する。
出品直前、仮縁の正面や側面…そして作品の裏に “乾いていない絵具” が付着していないか確認し、付着していたのなら…確実に拭き取る。
自分達ではない “他人” に運んでもらい… “他人” に陳列してもらうのであれば、これらは最低限のマナーです。
守っていたら誉められるレベルじゃなく、守るのが当たり前のレベルのマナー。
タイヤショップの店員が、ホイールナットを1本も締め忘れることなくタイヤ交換を終えるくらいの当たり前なこと。
ね?
誉められるレベルじゃない…当たり前なことでしょ?
寿司屋の板前さんが、トイレに行って板場に戻る前に、必ずしっかり手を洗う…っていうくらい、当たり前のことです。
こうして見ると、むしろ…やれていないことが非難されるレベルであり、時には…やれていないことが罪に問われる場合も有り得るレベルのマナーとも言えますよね?
みなさんにはそれくらいの自覚を持っていただいた方が良いでしょう。
今まで出来ていなかったのなら、謝っていただく必要も反省していただく必要も…まったくありません。
今後、しっかりやっていただければいいだけのハナシです。
また、3ダースと関わりの無い…他業者を使っている先生方とも情報交換していただき、みんながマナーを守ってくれるようになれば、快適な展覧会になると思います。
なお、『私はそんなことまでしたくはない。今まで通りの事しかやりたくない!』と思われる先生は、無理してなさらないで結構です。嫌々やっていただきたくはないし、能力以上のことは出来っこありませんから…正直、期待しておりません。
それに、ウチが扱う学校の先生が全員このメルマガを読んでいるわけでもありません。
つまり…ウチで扱う高美展作品でさえ、今後も取り付け不良の仮縁が後を絶たないだろうと思われます。
ですから、今まで通り3ダースは搬入前日の深夜の野戦病院にて、トリアージの判断に追われながらメンテナンスやクリーニングを続けるのです。
毎年、深夜までかけていたその時間や労力が…みなさんのお陰で少しだけでも減ったなら、うれしい限りです。
【第29回終わり】
もちろん『ウチの美術部員は12個のネジ穴すべてにネジを入れてますっ!』って胸を張っておっしゃってくれる先生もいらっしゃるでしょうが、現実のハナシ…横ビス方式の仮縁を採用しているほとんどの学校で、ネジの不足は毎年見られます。
“毎年” です!